家事按分の割合の決め方|家賃・電気代・スマホ代・車
自宅を仕事場にしている、スマホを仕事とプライベートで使っている——そんなとき、支払った額のうち「仕事で使った分」だけを経費にすることを家事按分(かじあんぶん)といいます。
国税庁のルール
仕事と生活の両方にかかる費用(家事関連費)のうち、経費にできるのは、取引の記録などに基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる部分だけです。つまり、「なぜこの割合なのか」を説明できることが大切です。
費用ごとの決め方
家賃:床面積で
仕事専用の部屋やスペースの床面積 ÷ 住まい全体の床面積。例:仕事部屋 9㎡ ÷ 36㎡ = 25%。リビングの一角など、生活と兼ねるスペースは、使う時間の割合も掛けて小さめにします。間取り図を保存しておくと説明しやすくなります。
電気代:床面積・使う時間で
家賃と同じ床面積の割合を使うか、「仕事の時間 ÷ 起きている時間」などで決めます。パソコンや照明など、仕事で使う家電の使用時間で考える方法もあります。
スマホ・ネット回線:使う時間で
仕事で使う時間や通信量の割合で決めます。例:1日8時間・週5日の仕事で、1日の利用時間が16時間なら、(8×5) ÷ (16×7) ≒ 36%。仕事専用の回線・端末なら全額経費です。
車・ガソリン代:走った距離で
仕事で走った距離 ÷ 全体の走行距離。日付・行き先・距離を記録した運転日誌があると確実です。車の減価償却費・自動車税・保険料も、同じ割合で按分します。
水道・ガス
仕事との関係が説明しにくいので、自宅では経費にしない人が多い費用です(飲食店や美容室など、仕事で水・ガスを使う場合は別)。
持ち家の場合
住宅ローンの返済額そのものは経費になりません。建物の減価償却費、固定資産税、ローンの利息、火災保険料のうち、事業で使う割合の分を経費にします。
計算と記帳のしかた
- 支払ったときは、全額をいつもどおり記帳する
- 年末に、科目ごとに「事業で使う割合」を掛けて、経費になる額を出す
- 割合と理由(「仕事部屋 9㎡ ÷ 36㎡」など)を帳簿や別紙にメモしておく
注意したいこと
- 生計を一にする家族に払う家賃は、経費になりません。
- 根拠のない高い割合は、税務調査で否認されることがあります。
- 按分しない(全額を経費にする)のは、仕事専用の物・回線・部屋だけです。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2210「やさしい必要経費の知識」(令和8年4月1日現在法令等)
よくある質問
家賃は何%まで経費にできますか?
上限の決まりはありませんが、生活もしている家の家賃を高い割合にすると、説明がむずかしくなります。仕事専用の部屋の床面積など、実態に合った割合にしましょう。
按分の割合は毎年同じでないといけませんか?
働き方や住まいが変わったら、割合も見直します。変えたときは、なぜ変えたのか(引っ越し、仕事部屋を増やした等)をメモしておきましょう。
実家暮らしで家にお金を入れている場合は?
生計を一にする親族に払う家賃は、経費になりません。自分名義で契約・支払いをしている通信費などは、按分して経費にできます。