減価償却のきほん|10万・20万・40万円の分かれ目
パソコン・カメラ・車など、何年も使う物は、買った年に全額を経費にせず、使える年数(耐用年数)に分けて少しずつ経費にします。これが減価償却です。ただし金額が小さい物は、早く経費にできる方法があります。
取得価額で変わる3つの方法
| 取得価額 | 方法 | 使える人 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 全額をその年の経費(消耗品費など) | 全員 |
| 10万円以上 20万円未満 | 一括償却資産:3年間で1/3ずつ(月数に関係なく) | 全員 |
| 10万円以上 40万円未満 | 少額減価償却資産の特例:全額をその年の経費(1年で合計300万円まで) | 青色申告の人 |
| 上記以外 | 定額法:耐用年数で分けて経費 | 全員 |
2026年4月から「40万円未満」に
少額減価償却資産の特例は、令和8年度の税制改正で、2026年4月1日から2029年3月31日までに取得した物は40万円未満まで使えるようになりました。2026年3月31日までに取得した物は、これまでどおり30万円未満です。白色申告の人は使えません。
定額法の計算
償却費 = 取得価額 × 償却率 × 事業に使った月数 ÷ 12
例:24万円のノートパソコン(耐用年数4年・償却率0.250)を7月から使った場合
| 年 | 計算 | 償却費 | 年末の残り |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 240,000 × 0.250 × 6/12 | 30,000円 | 210,000円 |
| 2〜4年目 | 240,000 × 0.250 | 60,000円 | 150,000→30,000円 |
| 5年目 | 残りから1円を引く | 29,999円 | 1円 |
最後の年は、帳簿上の価額を1円(備忘価額)残します。私用と兼ねる物は、償却費に事業で使う割合を掛けた額が経費です。
よく使う耐用年数
- パソコン(サーバー用以外):4年
- ソフトウェア(自分で使うもの)・カメラ・事務機器:5年
- 冷蔵庫などの家電・エアコン:6年
- 普通自動車(新車):6年、軽自動車(新車):4年、二輪:3年、自転車:2年
- 事務机・いす:金属製15年、それ以外8年
中古の物は、「(新品の耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%」で短い年数にできます(簡便法。1年未満切り捨て、2年未満は2年)。
判定のポイント
- 取得価額:本体の代金に、送料・設置費など使い始めるまでの費用を足した額で判定します。
- 1つ(1組)ごと:ふつう1単位として取引される単位ごとに判定します。
- 使い始めた年:買った年ではなく、事業に使い始めた年から償却します。
- 個人は原則として定額法:届け出をしていなければ定額法です。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2100「減価償却のあらまし」、No.2106「定額法と定率法による減価償却」、確定申告書等作成コーナー「耐用年数表」(令和8年4月1日現在法令等)
よくある質問
分割払いやローンで買った場合は?
支払いの回数に関係なく、本体の価格(取得価額)で判定します。ローンの金利・手数料は、減価償却とは別に経費(利子割引料・支払手数料など)にします。
取得価額に送料や設定費は含めますか?
含めます。購入の代金に、引取運賃・据付費など、使い始めるまでにかかった費用を加えた額が取得価額です。
仕事にも私用にも使うパソコンは?
減価償却費に、事業で使う割合を掛けた額が経費です。割合の理由(仕事で使う時間など)をメモしておきましょう。