請求書PDFの保存方法と電子帳簿保存法|ファイル名のつけ方
2024年1月から、メールやWebでやり取りした請求書・領収書などの「電子取引データ」は、電子データのまま保存することが義務になりました。フリーランス・個人事業主も対象です。難しく聞こえますが、少額の事業者なら「ルールを決めてPDFを保存する」だけで対応できます。
保存のために満たす2つの要件
① 改ざんされない仕組み(真実性)
次のいずれかで対応します。個人で最も手軽なのは、国税庁のひな形を使った事務処理規程を作って守る方法です。
- タイムスタンプが付いたデータを受け取る/自分で付ける
- 訂正・削除の履歴が残るクラウドサービスに保存する
- 「訂正削除の防止に関する事務処理規程」を定めて運用する
② 探せる状態にする(可視性・検索要件)
「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できるようにするのが原則です。ただし、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務職員からデータのダウンロードを求められたときに応じられるようにしておけば、検索要件は不要です。それでも、自分が後で探しやすいように、ファイル名のルールを決めておくのがおすすめです。
おすすめのファイル名ルール
20261023_株式会社サンプル商事_請求書_528320円.pdf
(取引年月日_取引先_書類の種類_金額)
ひとり請求書で「PDF保存・印刷」を押すと、この形式のファイル名が自動で入ります。受け取った請求書も同じルールで名前を変えておけば、日付・取引先・金額で検索できます。
フォルダ構成の例
- 📁 電子取引
- 📁 2026年
- 📁 発行(自分が送った請求書・領収書)
- 📁 受領(受け取った請求書・領収書)
- 📁 2026年
クラウドストレージを使う場合は、誤って上書き・削除しないよう、共有設定やゴミ箱の保持期間も確認しておきましょう。
保存期間
法人は原則7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)。個人事業者は書類の種類により5年または7年ですが、インボイスの写しや受け取ったインボイスは消費税法により7年間の保存が必要です。迷ったら7年間保存しましょう。
Pro版では、作成した書類の一覧を「取引年月日・取引先・金額・ファイル名」の索引簿としてCSVで書き出せます。Pro版について
出典:国税庁「電子帳簿保存法関係」、「電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)」、「参考資料(各種規程等のサンプル)」
よくある質問
発行した請求書のPDFも保存が必要ですか?
はい。電子取引で送った請求書のデータも、受け取ったものと同じく電子データのまま保存します。インボイス(適格請求書)を交付した場合は、写しの保存も必要です。
紙に印刷して保存すればいいのでは?
電子でやり取りした取引情報は、電子データのまま保存するのが原則です。印刷した紙だけの保存は、一定の条件を満たす場合を除き認められていません。
検索機能のある専用ソフトは必要ですか?
基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下で、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、検索要件は不要です。ファイル名のルール化だけで十分なケースが多いです。