食料品の消費税1%(2027年4月〜)請求書・領収書の書き方

更新日:2026年10月23日

法案の成立が前提です

飲食料品の消費税率を引き下げる法案は2026年10月に国会へ提出され、政府は12月12日までの今の国会での成立を目指しています。このページの内容は、国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)にもとづく、法案が成立した場合の取り扱いです。

ポイント
  • 2027年4月1日〜2029年3月31日の2年間、飲食料品の消費税は1%(国0.78%+地方0.22%)
  • 対象は今の軽減税率8%の飲食料品と同じ。外食・酒類は10%、新聞の定期購読は8%のまま
  • 請求書は「適用税率が1%」「消費税額が1%で計算」になるだけで、ほかの記載事項は同じ
  • 2割特例・3割特例・簡易課税では、1%分の売上税額と同額を控除するため、食品分の納税は実質ゼロ

いつの取引から1%になる?

飲食料品を売った日税率
2027年3月31日まで8%
2027年4月1日〜2029年3月31日1%
2029年4月1日から8%

請求書・領収書の書き方

インボイス(適格請求書)の記載事項は変わりません。1%の飲食料品は、適用税率を「1%」とし、消費税額を1%で計算します。「※軽減税率対象」の印を付けていれば、「1%対象」と別に書く必要はありません。

記載例(2027年4月分)
品目金額(税抜)
魚 ※40,000円
タオルセット10,000円
1%対象 40,000円 消費税 400円
10%対象 10,000円 消費税 1,000円
合計 51,400円

※ は軽減税率対象

3月分と4月分が混ざる請求書

月の途中で締める請求書(例:3月16日〜4月15日分)では、3月までの8%と4月からの1%の飲食料品が混ざります。次のどちらかで作ります。

  1. 請求書を分ける:3月31日までの分と4月1日からの分で別の請求書にする
  2. 1枚で区分する:合計欄に「1%対象」「8%対象」「10%対象」を並べ、それぞれの消費税額を書く
区分対象金額(税抜)消費税
1%対象20,000円200円
8%対象40,000円3,200円
10%対象50,000円5,000円
合計110,000円8,400円

ひとり請求書では、明細ごとに「10%」「8%軽減」「1%軽減」を選ぶだけで、この区分と税額を自動で作ります(端数処理は税率ごとに1回)。

8%のままになる取引(経過措置)

4月1日以後に引き渡す飲食料品でも、次の取引は8%のままです(選択ではなく自動で8%になります)。

ただし、契約や販売条件で「4月1日以後は1%で販売」と定めている場合や、1月1日以後に契約金額を変更した場合は1%になります。

消費税の申告への影響

簡易課税・2割特例・3割特例

業種にかかわらず、飲食料品(1%)の売上税額と同じ額を仕入税額として控除します。つまり食品の売上にかかる消費税は差し引きゼロになり、そのほかの売上にだけ、みなし仕入率(2割特例・3割特例はそれぞれ8割・7割)を使って計算します。還付にはなりません。

国税庁の例:飲食料品の小売2,000万円(1%・税20万円)、雑貨の小売300万円(税30万円)、イートイン100万円(税10万円)の場合、仕入控除税額は 20万円+30万円×80%+10万円×60%=50万円、納付税額は10万円です。

本則課税なら還付になることも

売上は1%なのに、包材・家賃・設備などの経費は10%のままなので、本則課税(一般課税)では消費税が還付される場合があります。そのための届出に特例が設けられます。

課税事業者を選ぶと原則2年間は免税事業者に戻れないなどの注意点もあるため、届出の前に税理士や税務署に相談してください。

値札(総額表示)の特例

値札の貼り替えがすぐにできない事情がある場合は、誤認を防ぐ掲示などをしていることを条件に、2027年2月1日〜3月31日は1%での税込価格、4月1日〜5月31日は8%での税込価格を表示しておくことが認められます。税抜価格だけの表示は引き続き認められません。

出典:国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)、「消費税率引下げ特設サイト」

よくある質問

請求書に「1%対象」と書く必要はありますか?

「※は軽減税率対象」のように軽減税率の対象品目である旨を書いていれば、別に「税率1%の対象品目である旨」を書く必要はありません。税率ごとの合計欄に「1%対象」と適用税率を書き、消費税額を1%で計算します。

外食・テイクアウト・お酒は何%になりますか?

外食(店内飲食)・ケータリング・酒類は10%のままです。テイクアウトや出前・宅配は飲食料品の譲渡なので1%になります。対象範囲は、2027年3月31日まで8%だった飲食料品と同じです。

新聞は1%になりますか?

なりません。週2回以上発行される新聞の定期購読は8%のままです。

2029年4月以降はどうなりますか?

2029年4月1日以後の飲食料品の譲渡は8%に戻ります。値札の総額表示には、戻るときにも特例が設けられる予定です。

法案が成立しなかったら?

飲食料品は8%のままです。このページは、2026年9月15日に閣議決定された大綱と国税庁のQ&A(法案が可決・成立した場合の内容)をもとにしています。