インボイス対応の請求書の書き方|記載事項6つと端数処理のルール

更新日:2026年10月23日

2023年10月に始まったインボイス制度では、登録番号を持つ事業者(適格請求書発行事業者)が取引先から求められたら、決められた事項を書いた請求書=適格請求書(インボイス)を交付する必要があります。この記事では、フリーランス・個人事業主が自分で請求書を作るときに押さえておくポイントをまとめます。

目次
  1. 適格請求書に必要な6つの記載事項
  2. 消費税の端数処理は「税率ごとに1回」
  3. 登録番号の確認方法
  4. 免税事業者(登録していない人)の請求書
  5. よくある間違い

1. 適格請求書に必要な6つの記載事項

記載事項書き方の例
① 発行者の氏名・名称と登録番号山田デザイン事務所 登録番号:T1234567890123
② 取引年月日2026年10月15日/2026年10月分
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)Webサイトデザイン、お弁当※(※は軽減税率対象)
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率10%対象 480,000円/8%対象 4,000円
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等消費税(10%)48,000円/消費税(8%)320円
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称株式会社サンプル商事 御中

書類の名前は「請求書」でなくても構いません。納品書や領収書でも、これらが書かれていればインボイスになります。また、請求書と納品書など複数の書類を合わせて要件を満たす方法も認められています。

2. 消費税の端数処理は「税率ごとに1回」

インボイスに書く消費税額は、1枚の請求書につき、税率ごとに1回だけ端数処理します。切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを選ぶかは自由です。

例:単価99円(8%)の品目を3行

○ 正しい:合計297円 × 8% = 23.76円 → 23円(切り捨て)
× 誤り:99円 × 8% = 7.92円 → 7円 を3行分足して 21円

2027年4月からは食料品が1%に

飲食料品の消費税が2027年4月1日から2年間1%になる予定です(法案成立が前提)。その場合は「1%対象」の区分と1%で計算した消費税額を書きます。「※軽減税率対象」の印はそのままで構いません。食料品1%の請求書の書き方

明細ごとに消費税を計算して合計するやり方は、インボイスの端数処理のルールに合いません。ひとり請求書は自動でルールどおりに計算します。

3. 登録番号の確認方法

登録番号は「T」+13桁の数字です。法人は「T+法人番号」、個人事業者は登録時に通知された13桁の番号です。自分や取引先の番号が正しいかは、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで検索して確かめられます。1文字違うだけで取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため、最初に一度確認しておきましょう。

4. 免税事業者(登録していない人)の請求書

インボイスの登録をしていない人は、登録番号のない通常の請求書を発行します。消費税相当額を請求すること自体は禁止されていませんが、取引先は仕入税額控除を一部しか受けられません(2026年10月〜2028年9月は70%、その後50%、30%と段階的に縮小)。値決めについて取引先と話し合っておくと安心です。

5. よくある間違い

出典:国税庁「インボイス制度の概要」、インボイス制度に関するQ&A

よくある質問

請求書の明細ごとに消費税を書く必要はありますか?

必要ありません。必要なのは「税率ごとに区分した消費税額」です。明細ごとに消費税を計算して端数処理するのではなく、税率ごとの合計に対して1回だけ端数処理します。

税込の金額だけを書いた請求書でもインボイスになりますか?

税率ごとの対価の額は税込でも構いませんが、税率ごとの消費税額と適用税率の記載は必要です。「10%対象 110,000円(うち消費税10,000円)」のように書きます。

取引年月日は請求書の発行日でいいですか?

取引年月日は商品やサービスを提供した日です。月締めの請求書なら「2026年10月分」のように対象期間を書く方法でも構いません。発行日とは別に記載するのが確実です。